ここでは『鼻下長紳士回顧録』(びかちょうしんしかいころく)について書きます。
- 『鼻下長紳士回顧録』あらすじ
- ネタバレありの感想が知りたい
- 文化庁メディア芸術祭ってなに?
- どんな作品?
と、気になる方に向けて記します。
※2021年4月7日に修正・追記しました。
ネタバレを含む記事になっています。
『鼻下長紳士回顧録』は、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しました。
作者は、安野モヨコ先生です。
安野モヨコ先生の他の漫画の記事も併せてお楽しみくださいね。
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『鼻下長紳士回顧録』作品紹介
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『鼻下長紳士回顧録』を簡単に紹介します。
- 鼻下長紳士回顧録(びかちょうしんしかいころく)
- 著者:安野モヨコ
- 出版社 : コルク
- 上下巻完結
20世紀初頭、フランス・パリ。
売春宿で働くコレットは、訪れる“変態”的な欲望を抱えた紳士たちを相手に、出口の見えない生活を送っていた。
主人公は、売春宿で働くコレット。
コレットの唯一の幸せは、ヒモ男・レオンとの逢瀬の時間。
たとえ、彼がコレット以外の女のもとへ通っているとしても。
悲しい物語かと思いきや、コレットの職場の売春宿で仲間といろんな変態客・と出会う。
一見、紳士たちなのに、考えられないような性癖をココで露にしていく。
人間の本質を見たかのような気持ちになる。
安野モヨコ先生が描く美しい“変態”たちとコレットの関りをぜひ味わってほしいと思います。
漫画なのに、まるで映画を見ているようなストーリーの展開が素敵ですよ。
『鼻下長紳士回顧録』上巻あらすじネタバレ感想
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『鼻下長紳士回顧録』上巻あらすじ
20世紀初頭、フランス・パリ。
売春宿で働くコレットは、訪れる“変態”的な欲望を抱えた紳士たちを相手に生活を送っていた。
彼女の唯一の幸せは、ヒモ男、レオンとの逢瀬の時間。
…たとえ、彼が他の女のもとへ通っているとしても。
『鼻下長紳士回顧録』上巻ネタバレ感想
コレットが愛する男は金をせびる。
他のお金をくれる女のところへ行くってのに、コレットはレオンのために娼婦になる。
それまでの過程が悲しく思えるけど、それほどまでにレオンを愛しているんだね。
レオンを信じ続けているコレット。
出会った仲間と変態たちは、欲望に忠実で素直なところが好感が持てる。
グロい変態とかは出てこない。
見た目は、全然そんな風でもないのに、意外な欲求。
実際にも抑え込んでいるだけで、願望がある人って多いかも。
こんな風に自分を解放できる場所があるっていいな。
コレットに小説を書くことをすすめたサカエ。
行き詰っている感がやばい。
サカエとコレット。
繋がりは売春宿だけかと思ったら、レオンが入れ込んでいるナナに、サカエも堕ちていたという。
世間が狭いとはこのことか。
ナナの魅力がすごいわ。
見た人みんなが魅せられていく。
外見が綺麗なだけではない。
ここは、よくある一般的な恋愛のルールがどこにもない世界。
みんな自分の欲望・感情を隠さないから解放感がすざましい!
登場人物たちが、欲しいものを我慢せずに言えるって読んでいて気持ち良い。
安野モヨコさんの絵が美しいから、全然悲壮感がない。
『鼻下長紳士回顧録』下巻あらすじネタバレ感想
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『鼻下長紳士回顧録』下巻あらすじ
花の都の片隅にある売春宿で、娼婦のコレットは夜毎訪れる変態紳士たちの相手をしていた。
彼女は、時々現れては消えるヒモ男のレオンをずっと待っている。
しかし、近頃姿を見せなくなったレオンに、コレットの心はかき乱されていく。
『鼻下長紳士回顧録』下巻ネタバレ感想
レオンがコレット以外の女にも、お前が一番という。
でも、レオンにとってコレットは二番めに好きな女でお金をくれる女。
一番好きな女になれない?
かと思えば、自分を信じているコレットが一番なのかもしれないとも思う。
レオンのフワフワした気持ち描かれていて、どれがほんとかもわからない曖昧な感情。
正気を失ったカルメン、男たちを堕としてのし上がっていくナナの生きざま。
あのクズだったレオンの死。
絶望するコレットだけど、これで解放されたのだろうか?
コレットを愛する娼婦も出てきたり、真の小説家との出会いでコレットの人生がまた動き出す。
色んな人との出会いを通して、やはり愛するレオンを求め続けるコレットに泣けた。
それがプレイだとしても、ひとりの男を愛する美徳が素敵だったと思いました。
文化庁メディア芸術祭とは?
文化庁メディア芸術祭は、文化メディア芸術祭実行委員会が主催しているアートとエンターテイメントの祭典です。
- 文化庁メディア芸術祭
(ぶんかちょうめでぃあげいじゅつさい) - 主催:文化庁メディア芸術祭実行委員会
→文化庁、国立新美術館 - 目的:芸術性と創造性をもつ優れたメディア芸術作品を表彰すること
- 1997年から毎年実施している
『鼻下長紳士回顧録』第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞に選ばれた理由は?
【第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞】に選ばれた理由が書かれています。
パリの街にある高い天井を持った、とある美術館。誰もいない黒壁の展示室の中を、輝きを抑えたゴールドの額縁に収まっている絵を1枚1枚観ながら、独りゆっくりと歩く。息を殺しながら絵を観ていると、耳に入ってくるのは高い天井によって響く自分の足音。遠くからは街角で花を売っている女性の奏でるアコーデオンによる『バラ色の人生』『アコーデオン弾き』……。そして、それらのなかに混じって微かに聞こえるマダムやマドモアゼルたちの恋愛に関してお喋りしている声。美術館で絵を観ているような感覚になる『鼻下長紳士回顧録』。切り取って壁に飾っておきたくなる見開きで描かれたページ。音楽が流れているなかで読み上げられるポエムのような台詞。ほかの誰もが描くことのできない絵と、思いつくことのできない台詞。恋愛について、人生についての新しい形を知ることになる1作。「センスがよい」という言葉だけでは表せない作品である。(倉田 よしみ)
引用:文化庁メディア芸術祭
贈賞理由で、漫画家の倉田よしみ先生のコメントがありました。
その中でも、
美術館で絵を観ているような感覚
切り取って壁に飾っておきたくなる見開き
音楽が流れているなかで読み上げられるポエムのような台詞
ほかの誰もが描くことのできない絵
思いつくことのできない台詞
など、「素敵」という言葉だけでは言い表せないほどの安野モヨコ先生の世界観について語られています。
安野モヨコさんの描く漫画は、芸術的にみても素晴らしいということでしょうね。
さいごに
『鼻下長紳士回顧録』の作品を知ったのは、FEEL YOUNGの広告。
ちょうど「後ハッピーマニア」を新連載を始めたころからFEEL YOUNGを見始めました。
やっぱり安野モヨコ先生の世界観って素敵ですよね。
『後ハッピーマニア』も『シュガシュガルーン』、『おちびさん』なんかも、ストーリーが全然違うのに面白い。
でも、共通するのは登場人物の人間くささが魅力的に描かれているところのように思います。
「やっぱりスゴイ!安野モヨコワールドすげぇぇぇぇ!」
そう思ってこの記事を書きました!
安野モヨコさんの『安野モヨコ ANNORMAL』は、もう読まれましたか?
こちらもすごく良かったです。
とくに安野モヨコ先生の旦那さんの庵野監督の言葉がラブレターのようで、感動しました。
おすすめの1冊です。