「同じ顔で私は嘘をつく」を読んでいて、多くの読者が気になったのが、主人公・月の発作ではないでしょうか。
作中では、月が人に触れられると、手から赤ちゃんが生まれるような幻覚を見る描写がありました。
かなり衝撃的な場面だったため、
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なぜ赤ちゃんが見えるの?
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月の発作は病気なの?
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最終回で意味は明かされたの?
と気になった方も多いと思います。
最終回では、この発作の意味がある程度明かされています。
この記事では、
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月の発作の理由
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赤ちゃんの正体
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最終回で明かされた意味
をわかりやすく解説します。
※この記事はネタバレを含みます。
月の発作とは?
物語の中で月は、人に触れられると発作のような症状を起こします。
そのとき月の目には
自分の手から赤ちゃんが次々と生まれる光景
が見えていました。
かなり衝撃的な描写で、読者の間でも
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なぜ赤ちゃん?
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病気なの?
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どういう意味?
と疑問の声が多いポイントでした。
▶「同じ顔で私は嘘をつく」1話~最終回まであらすじネタバレ感想まとめ
月の発作の理由
最終回では、母親が月の発作について、ある可能性に気づきます。
それは、月の発作は自分の身を守るための防御本能だったのではないかということです。
母親は、これまで自分が月にしてきたことを思い出します。
かつて母親は月に暴力を振るっており、そのとき月は、触れられることを拒絶するような反応を見せていました。
そして母親は、こう考えるのです。
「発作は、私に触られないための防御本能だったのかもしれない」
この気づきによって、月の発作は単なる病気や幻覚ではなく、母親から自分を守るために心と体が起こした拒絶反応だった可能性が強く示されました。
つまり月にとって「触れられること」は安心ではなく、恐怖と結びついていたのかもしれません。
そのため、発作は月の弱さではなく、月が生き延びるために身につけた反応だったとも考えられます。
母親の後悔が明かした真実
最終回で印象的だったのは、月の発作そのものだけではありません。
母親がようやく、自分のしてきたことの意味に気づく場面も大きなポイントでした。
それまで母親は、月の発作を“異常なもの”として見ていたようにも読めます。
しかし最終回では、その発作が実は自分から身を守るためのものだったかもしれないと理解します。
この場面によって、月の発作はただ怖い現象ではなく、月の心の傷が形になったものとして見えてきます。
読者にとっても、これまで不気味に見えていた描写の意味が一気につながる場面でした。
赤ちゃんの正体
月の発作で特に印象的だったのが、手から赤ちゃんが生まれるような幻覚です。
では、この赤ちゃんたちは何を意味していたのでしょうか。
最終回では、発作の中で現れていた子どもたちの正体も示唆されます。
それは、母親の体に宿りながらも生まれることができなかった命たちです。
作中では、月と陽の核のような存在のまわりに、多くの生命のようなものが描かれていました。
この描写から、それらは月と陽の弟妹になれなかった存在を象徴していたと考えられます。
つまり月の発作の中に現れていた赤ちゃんたちは、ただの幻覚ではなく、生まれることができなかった命の象徴だった可能性があります。
なぜ赤ちゃんが現れていたのか
赤ちゃんの描写は、最初に読んだときはかなり不気味です。
ですが最終回まで読むと、この存在は恐怖だけを表していたわけではないことが分かります。
発作の中に現れていた子どもたちは、月と陽を見守り、守っていた存在でもありました。
そのため赤ちゃんの描写には、
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生まれることができなかった命
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月の心の傷
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月を守る存在
という複数の意味が重なっていたと考えられます。
最初は呪いのように見えていた発作が、実は月を守る力でもあったと分かることで、この作品の見え方も大きく変わります。
月の発作は呪いではなく“防御”だった
「同じ顔で私は嘘をつく」の月の発作は、見た目だけならかなり異様です。
そのため最初は、
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何かに取り憑かれている
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精神的に不安定
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不吉な現象
のようにも見えます。
しかし最終回の描写を踏まえると、発作はそうした単純なものではありません。
むしろ月の発作は、母親から傷つけられてきた月が、自分を守るために生み出した防御反応だった可能性が高いです。
さらに発作の中に現れる赤ちゃんたちは、生まれることができなかった命でありながら、月たちを見守る存在として描かれていました。
つまりこの発作は、
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月の恐怖
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月の傷
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月を守る存在
が重なった、非常に象徴的な表現だったと言えます。
ラストシーンの意味
最終回では月と陽が崖から海へ落ちます。
その後、浜辺で発見された女子高生は
「天野川月です」
と名乗りました。
しかし、生き残ったのが
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月なのか
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陽なのか
ははっきりとは描かれていません。
読者に解釈を委ねる形のラストになっています。
最終回を読むと発作の意味が変わる
序盤から中盤にかけては、月の発作はただ不気味で意味の分からない描写に見えます。
しかし最終回まで読むと、その印象は大きく変わります。
発作は月を苦しめるだけのものではなく、月が壊れないために必要だった反応だったのかもしれません。
だからこそ、最終回でその意味が明かされたとき、これまでの不気味さが一気に切なさへ変わります。
月の発作は、この作品の中でも特に重要なテーマのひとつだったと言えるでしょう。
まとめ
「同じ顔で私は嘘をつく」の月の発作は、母親から自分を守るための防御本能だった可能性が示されています。
また、発作の中で現れていた赤ちゃんたちは、生まれることができなかった弟妹たちを象徴する存在だったと考えられます。
最初は不気味に見えた発作ですが、最終回まで読むと、それは月を苦しめるだけのものではなく、月を守るための反応でもあったことが見えてきます。
この作品は、表面的なサスペンスだけでなく、心の傷や家族の歪みまで描いているところが印象的でした。
気になる方は、実際に最終回まで読んでみると、月の発作の見え方がかなり変わると思います。
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