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『毒親絶縁日記』は、北瀬ユズ先生が自分の親を「毒親」だと知り、絶縁するまでを描いた実録コミックエッセイです。
幼いころから母親の顔色をうかがい、父親にも助けてもらえなかったユズ。
大人になってからもうつ病や親からの金銭要求に苦しみ、ようやく自分が受けていたものが「心理的虐待」だったと気づきます。
この記事では、
- 『毒親絶縁日記』のあらすじ
- 幼少期から絶縁までの流れ
- ユズは両親と絶縁できたのか
- 物語の結末と読んだ感想
をネタバレありでまとめます。
※ここから先は物語の結末を含みます。
親との関係に苦しんだユズが、自分の人生を取り戻すまでを実際の漫画で読みたい方はこちら。
「毒親絶縁日記」とは?作品情報
- 作品名:毒親絶縁日記
- 著者:北瀬ユズ
- 出版社:ぴあ
- 発売日:2020年11月30日
- ジャンル:実録コミックエッセイ
自分の親が「毒親」だと気づき、絶縁するまでを描いた実話です。
母親の顔色をうかがい、父親にも助けてもらえない家庭で育ったユズ。大人になってからも両親との共依存関係は続き、心身ともに追い詰められていきます。
うつ病の治療を受ける中で、自分が長年「心理的虐待」を受けていたことを知ったユズは、両親との関係を断つために動き始めます。
書籍には、SNSでは公開されていない「親からの手紙」や、絶縁後の著者の様子も収録されています。
「毒親絶縁日記」の登場人物
- ユズ:本作の主人公。親の顔色をうかがい、「良い子」でいようと努力してきた女性
- ユズの母:外では印象がよい一方、家庭内では感情の起伏が激しく、ユズを支配する
- ユズの父:家族への関心が薄く、母親の行動を止めようとしない
- 母方の祖母:気性が荒く、母親との関係にも問題を抱えている
- 父方の祖母:ユズに優しく接してくれる存在
- ユウ:ユズを支え、両親との絶縁にも協力する夫
「毒親絶縁日記」あらすじネタバレ
物語は、次の5つの時期に分けて描かれます。
- 第一章 幼少期~小学生編
- 第二章 中学生編
- 第三章 高校生編
- 第四章 社会人編
- 第五章 結婚~絶縁編
第1章|幼少期~小学生編

ユズは、感情の起伏が激しい母と、母以外の家族にほとんど関心を示さない父のもとで育ちます。
まだ幼いユズが服を脱がされて外へ出されたり、具合が悪くても適切な対応をしてもらえなかったりするなど、家庭内では理不尽な扱いが続いていました。
母親は外では印象がよく、家庭内で起きていることに周囲は気づきません。
ユズ自身も「親に愛されたい」という気持ちから、母親の機嫌をうかがい、良い子でいようと頑張ります。
読んでいて特につらかったのは、まだ小さなユズにとって、親が世界のすべてだったことです。
自分がされていることがおかしいと分からないまま、「もっと良い子になれば愛してもらえる」と考えてしまう姿に胸が痛くなりました。
第2章|中学生編

中学生になったユズは、勉強や進路についても母親に振り回されます。
勉強するように言われる一方で、塾へ行くことは認めてもらえず、家事も任されます。母親の言うことはその時の感情によって変わり、ユズは何を選んでも否定されるような状態でした。
それでもユズは、テストで高得点を取り、自分の進路を必死に考えます。
母親が困っていると、「自分がいなければ」と思ってしまうユズ。ときどき必要とされることで、母親との共依存関係がさらに深まっていきます。
母親と祖母の関係からは、苦しみが親から子へと受け継がれてきた可能性も感じました。
だからこそ、ユズの代でこの連鎖を止めてほしいと思わずにはいられませんでした。
第3章|高校生編

高校生になったユズは、ようやく自分の家庭がほかの家庭とは違うのではないかと気づき始めます。
学校行事で親から送られるはずの手紙が白紙だったり、ユズが母親へ書いた手紙を読まずに捨てられたりと、心を踏みにじられる出来事が続きます。
アルバイト代を母親に取られ、ギャンブルなどに使われることもありました。
それでもユズは働き、勉強し、親元を離れる道を探します。
就職が決まり、ようやく家を出られることになった場面では、本当にほっとしました。
ただ、物理的に離れたからといって、長年作られてきた親子関係からすぐに自由になれるわけではありませんでした。
第4章|社会人編

社会人になったユズに、母親はさらにお金を要求するようになります。
ユズは自分の生活費を払いながら親へお金を渡し、親のための旅行資金まで貯めていました。
母親から具合が悪いと言われれば、すぐに駆けつけます。しかし、実際には大げさに伝えられていただけだったこともありました。
お金を渡すことを断ると、職場にまで連絡が来ます。
長年続いた支配と共依存によって、ユズの心と体は限界を迎え、うつ症状が悪化。入院して治療を受けることになります。
その中で初めて、ユズは自分が受けてきたものが「心理的虐待」だったと知ります。
ここまで追い詰められても、ユズは両親を完全に嫌いになることができません。
苦しめられているのに連絡をしてしまう姿から、毒親との関係を断つことの難しさが伝わってきました。
一方で、職場の上司や周囲にユズを理解し、助けてくれる人が現れたことは大きな救いでした。
毒親絶縁日記の結末|ユズは両親と絶縁できた?

ユズは、自分を長く支えてくれたユウと結婚します。
結婚式を終え、これから新しい人生を歩もうとした矢先、母親から再びお金を要求する電話がかかってきました。
ユウは、ユズを両親の支配から守るため、自分の両親にも事情を説明します。ユウと義両親が間に入って連絡に対応し、ユズはついに両親との関係を断つことができました。
絶縁後、ユズは自分の家庭を築き、子どもにも恵まれます。
しかし、自分も親と同じことをしてしまうのではないかという不安は消えません。
そんなユズに、ユウは大切な言葉をかけます。
両親の考えが理解できないことは、ユズが両親とは違う人間である証拠でもあります。
ユズは自分の幼少期を振り返りながら、子どもと向き合っていきます。
親から受けた苦しみを、自分の子どもへ渡さない。
ユズは両親と絶縁しただけではなく、自分の代で毒親の連鎖を止めたのです。
書籍限定の「親からの手紙」
書籍版には、SNSでは公開されていない「親からの手紙」と、絶縁後の著者の様子も収録されています。
北瀬ユズ先生が、つらい体験をなぜ漫画にしようと思ったのかも描かれています。
結末だけでなく、ユズが絶縁後にどのように自分の人生を歩んでいるのかまで読みたい方は、本編で確かめてみてください。
「毒親絶縁日記」を読んだ感想
この作品を読んで特に怖いと感じたのは、心理的虐待は外から見ただけでは分かりにくく、苦しんでいる本人さえ気づかないことがあるという点です。
ユズも最初から「自分の親は毒親だ」と分かっていたわけではありません。
「うちの親は少し変わっているだけ」
「自分がもっと頑張ればいい」
そう考えながら、母親の機嫌をうかがい、両親のためにお金を使い続けていました。
大人になっても、共依存していた親と絶縁するには、相当な勇気が必要だったと思います。
ユズが関係を断つことができたのは、ユウや義両親、職場の人など、周囲の支えがあったからでもあります。
ひとりでは越えられない壁があること、助けを求めてもいいことを、この作品は伝えているように感じました。
つらい内容ではありますが、絵柄が柔らかいため読み進めやすく、ユズの気持ちがまっすぐ伝わってきます。
北瀬先生のあとがきにも胸を打たれました。
つらかった体験を作品として描いたことで、自分の家庭環境に疑問を感じたり、救いを求めたりするきっかけを得た人もいるのではないでしょうか。
私自身も、子どもたちとの関わりの中で、自分の言葉や態度を改めて考えたいと思いました。
「毒親絶縁日記」はこんな人におすすめ
- 毒親とはどのような親なのか知りたい人
- 心理的虐待について知りたい人
- 親との関係がつらいと感じている人
- 毒親との共依存や絶縁について知りたい人
- 自分も毒親になるのではないかと不安な人
- 実話をもとにしたコミックエッセイを読みたい人
まとめ|毒親との絶縁は自分の人生を取り戻す選択
『毒親絶縁日記』は、心理的虐待を受けていたユズが、自分の親を毒親だと知り、絶縁するまでを描いた実話です。
物語の結末でユズは、夫のユウや義両親の力を借りながら、両親との関係を断つことができました。
そして、自分の家庭を築き、親から受けた苦しみを次の世代へ渡さない道を選びます。
親を嫌いだから捨てたのではなく、自分と大切な家族を守るために関係を断ったのだと感じました。
親との関係に悩んでいる方や、心理的虐待について知りたい方に、一度読んでほしい作品です。
身体的虐待を受けた女性の体験を描いた漫画については、こちらの記事でも紹介しています。






