「徒花~adabana~」を読んでいて、父親の存在に違和感を覚えた人は多いのではないでしょうか。
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- 父親は黒幕なの?
- なぜほとんど出てこないのに印象に残る?
- 本当に関わっていなかったの?
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この記事では、徒花における父親が黒幕なのかどうか、そして“罪の本質”について考察します。
まだ読んでない方は、先に読むことをおすすめします。
徒花の父親は黒幕なのか?
結論から言うと、父親は明確な黒幕とは断定されていません。
事件を裏で操っていた存在でもなく、直接的に少女たちを追い詰めた加害者とも描かれていません。
しかし、それでも読者の中で「怪しい」「一番怖い」と言われる理由があります。
それは父親が、
“無関係ではいられない立場にいながら、何もしなかった存在”だからです。
なぜ黒幕ではないのに疑われるのか
父親は物語の中心で動く人物ではありません。
むしろ、ほとんど目立たない存在です。
それにもかかわらず疑われるのは、
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- 少女の異変に気づけたはずの立場にいた
- 環境を変えられた可能性があった
- それでも何もしていないように見える
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という点があるからです。
つまり父親は、
「何もしていないのに、関係しているように見えてしまう存在」
として描かれています。
父親の本当の“罪”とは何か
徒花が描いているのは、単純な犯人探しではありません。
守るべき立場だった大人が、機能しなかった現実です。
父親は暴力を振るったわけではない。
命令をしたわけでもない。
それでも、少女が追い詰められていく中で、
止めることも、守ることもしなかった。
この作品が突きつけてくるのは、
「何もしなかったことは、本当に罪ではないのか?」
という問いです。
黒幕よりも重い存在に見える理由
もし父親が明確な悪人として描かれていれば、読者は感情をぶつけることができます。
しかし父親は違います。
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- 責めきれない
- でも許せない
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この感情の行き場のなさが、読後のモヤモヤにつながります。
そして結果的に、
「黒幕ではないのに、一番印象に残る存在」
になっているのです。
父親は本当に無関係だったのか
作中では、父親の関与について明確に断定されているわけではありません。
ただし、少女の状況を「まったく知らなかった」とは考えにくい描写が続きます。
つまり父親は、
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- 完全な加害者ではない
- しかし完全な無関係でもない
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という曖昧な立場にいます。
なお、具体的にどこまで関わっていたのかについては、別記事で詳しく解説しています。
まとめ|本当に怖いのは「何もしない人」
徒花において、父親は黒幕ではありません。
けれど――
「守れる立場にいながら、何もしなかった人」
です。
直接手を下していないからこそ、責任は見えにくい。
しかしその分、読者の心に深く残ります。
この作品が描いているのは、
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- 明確な悪人だけでは終わらない現実
- 無関心が生む加害性
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です。
守らなかったことは、本当に罪ではないのでしょうか。
徒花は、その答えを読者に委ねています。
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